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十社大神の狛犬のルーツ

十社大神にも、ほかの神社と同様に狛犬があります。

このうち、もっとも古いとみられる狛犬一対を紹介します。

 

写真は、拝殿の目の前にある狛犬。

拝殿に向かって右側は口を開け、左側は口を閉じ、左右ともに玉の上に前足を置いています。台石に刻まれた文字によると、

安政5年(1858年)9月7日に、高岡松屋理右衛門と高寺若連中の世話により

願主・本江屋源兵衛が寄進したものだということです。

 

台石には、「積船栄祥丸」「積船福重丸」とも書かれています。

この狛犬は、ここまで船で運ばれたということのようです。

 

小杉町史によると、

中世から近世にかけては、神社の近くを流れる下条川を利用した物資の輸送が盛んでした。

 

町史には、

「延宝2年(1674年)に藩が小杉新町へ市立てを認めた定目の中には、

『所々より川船にてのほり、当町において売買すべきこと』との条項があり、

 小杉新町の市自体が下条川を利用する川舟を前提にして設けられていた」と書かれています。

 

また、

「積み船は北前船とみられ、

伏木から放生津をまわして川舟により小杉まで運送された狛犬とみて間違いない」と記しています。

 

このような狛犬の台石の記録からも、かつての地域の姿が見えてくるものですね。

 

※令和元年5月27日掲載分より

十社大神 江戸時代の狛犬 尾道型狛犬
十社大神 江戸時代の狛犬 玉乗り狛犬
十社大神 江戸時代の尾道型狛犬 船で運搬