鳥居の『かたち』③靖国鳥居

十社大神にある3種類の鳥居。本日は、3つめの『靖国鳥居』についてご説明します。

十社大神の境内には、「神宮遥拝所」があり、伊勢の神宮を遥拝できるようになっています。

この遥拝所の形は、「靖国鳥居」に分類されます。

 

特徴は、陵墓鳥居(りょうぼとりい)と似てとてもシンプルで、おもに丸い形の石を使っています。

ただ、唯一異なるのは、上から2番目の『貫』と呼ばれる横に渡された石です。

陵墓鳥居はすべて丸ですが、靖国鳥居は、『貫』だけが四角形なのです。

 

東京の靖国神社の大鳥居に見られる形状であることから、「靖国鳥居」として分類されています。

靖国神社や護国神社に限って用いられているわけではなく、

こうした形の鳥居のうち、代表的なものが靖国神社の大鳥居である、ということだとみられます。

 

石の鳥居の場合、四角が一部取り入れてあるほうが、凛々しい印象を覚えます。

十社大神の神宮遥拝所の前に立つと気持ちが引き締まるように感じるのは、

もちろんお伊勢さんの御神威によるものですが、鳥居の『かたち』も、影響しているのかもしれません。

 

※平成28年9月4日掲載分より