豪雨による犠牲者の方々にはお悔やみを申し上げますとともに、被害を受けた方々にはお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。
新型コロナウイルスとの闘いが続く中、歴史的な豪雨被害にも見舞われ、二重苦とも言えるような状況。胸が痛むような思いです。
ところで、十社大神には、霊獣・獏(ばく)がいます。
宝物殿の入口の木鼻(柱が横に突き出た部分)の彫刻です。
獏(ばく)は、中国から日本に伝わった想像上の生き物で、悪夢を食べてくれるため幸せをもたらす、鉄を食べるため武器のない平和な社会をもたらす、などと言われてきました。
また、獏の皮を敷くと疫病除けになるという故事もあるそうです。
縁起のいい霊獣であるため、神社仏閣の建築には木彫装飾などでよく用いられたと考えられます。
考えてみると、
人類の歴史は、常に「戦争」「災害」「疫病」に見舞われ続けてきました。
人々がそれを防ごうとしても、いかに抗おうとも、いかに取り組もうとも、人の力が及ばぬ場面もあります。
そうしたとき、先人たちは、全力を尽くしながらも、同時に祈りを捧げてきたのではないでしょうか。
お宮さんに、獏や龍、狛犬、神馬など、多くの霊獣や神使がいるのも、そうした先人たちの心の内面を表しているのかもしれません。
「悪夢を食べてもらい、穏やかな日々が訪れますように・・・」ひたすら念じることに致します。